日本ツアーの来季以降の出場義務試合数改定に関して
今年の全米オープンのあたりに出場試合義務数撤廃の話が出ていましたが、12月16日の記者会見にて日本ツアー側からトーナメント規定の一部改定の発表がありました。
各記事からまとめた規定の改定部分のは以下のとおりです。
2014年シーズンから2016年シーズンまでは賞金王・国内メジャー優勝者・永久シードでの複数年シード所持者に対して5試合の出場義務試合数が発生しており、義務数を達成できなかった場合は翌シーズンについて該当シード権を行使しての試合出場が停止されていました(推薦で出場したり、JGTO管轄以外の試合について出場資格を満たしている場合の出場などは可能)。また、同時に罰金が発生し、松山くんは2014年末にJGTOに対して80万ほど支払っています。松山くんは以前、この「2重の罰則(シード権による出場の停止だけではなく罰金も発生したこと)」について当時納得できなかったと話しており、また5試合の義務数を達成できるかわからないことを理由に2015年シーズンと2016年シーズンの日本ツアーへの登録を見送っていました。
(2014年に施行された規程について書かれている記事のPDF:
http://www.jgto.org/jgto_pc/fan_room/tour_news/pdf/167.pdf)
今回この罰則規定を撤廃しており、複数年シード保持者が1年間日本ツアーに1試合も出場しなかったとしても翌シーズンの出場停止もなくなり罰金を支払うこともなくなったため、ツアーメンバーとして登録をすればその選手が持っているシード権はシードの切れるシーズンまで有効となりました。
松山くんに関して言えば2013年賞金王のシード権が2018年シーズンまで有効で、2016年日本オープン優勝のシード権が2021年シーズンまで有効のため、この規定が2021年まで変わらなければ、日本ツアーに登録をすれば2020年までは日本ツアーのトーナメントに1試合も出場しなくてもシードは有効となり、2022年シーズンのシード権を賞金ランキング60位以内(第1シード)の賞金シードで確保するためには2021年シーズンは3試合出場する必要がある、という形になります。
寛さんについては2015年にセガサミーカップ優勝により2017年シーズンまでのシード権を持っているのですが、それ以降のシード権は持っていないため、JGTOに申請をして2017年シーズンは賞金ランキングによるシードを確保するために3試合の出場義務をこなす必要があります(2017年シーズン中にトーナメント優勝などで複数年シードを確保できれば3試合の義務数を達成する必要もなくなりますが)。2016年シーズン始まる前に規定が変わっていれば今年夏以降の長期連戦が避けられただけに、もう少し早く改定して欲しかったというのが本音ですが、今回の改定はとりあえずは良かったと思います。
ただ、実際に3試合で賞金シードを確保するのは相当高いハードル(2016年シーズンの第1シード63位の獲得賞金が¥16,684,548で、これを3で割ると1試合550万以上稼がなければいけない)となるため、寛さんは2017年シーズンは実際にはもっと試合に出場する必要があるのではないかと思います。ただ、日本ツアーの出場資格リストの15に「JGTツアーメンバーでUSPGAツアー又はヨーロピアンツアーのツアーメンバー資格取得者で、上記(1)~(5)、(11)、(16)~(20)の出場資格(※複数年シードや賞金シードなど一定のシード権)を失うこととなった者」という項目があるため、2017年に賞金シードが取れなかった場合でも2018年シーズンのシードは一応確保できると思われます(2018年シーズンが厳しくなってしまいますが……)。
この新しい規定は現在のPGAツアー・ヨーロピアンツアーメンバーだけではなく、小平選手・片岡選手などのように複数年シードを持ち、またPGAツアーやヨーロピアンツアーを目指すことを公言している選手にとっても海外挑戦しやすくなると思いますので、多くの選手がPGAツアーやヨーロピアンツアーのツアーカードを取得してほしいなと思います。
<GDO>
・JGTOが“5試合ルール”を撤廃 選手の欧米進出をバックアップ(2016/12/16 17:25)
<ALBA>
・海外に出る選手を後押し!複数年シード保有者の出場義務競技数が撤廃に(2016/12/16 16:50)
<日刊スポーツ>
・松山英樹らに課せられた出場規定、事実上の撤廃(2016/12/16 20:44)
<サンケイスポーツ>
・JGTO、出場義務試合数の規定撤廃/国内男子(2016/12/16 19:06)
・米ツアーなどの出場資格持つ選手、出場義務が5試合から3試合に/国内男子(2016/12/17 05:01)
<スポーツ報知>
・男子ツアー、海外組の出場義務試合数“撤廃”松山が日本ツアー再登録検討(2016/12/17 06:00)
<デイリースポーツ>
・男子ツアー出場義務5試合規定を撤廃 「選手を縛る規定は取り除く」(2016/12/17)
<東京スポーツ>
・日本ゴルフツアー機構が「出場義務試合数」を事実上撤廃(2016/12/17 06:00)
各記事からまとめた規定の改定部分のは以下のとおりです。
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(2014年に施行された規程について書かれている記事のPDF:
http://www.jgto.org/jgto_pc/fan_room/tour_news/pdf/167.pdf)
今回この罰則規定を撤廃しており、複数年シード保持者が1年間日本ツアーに1試合も出場しなかったとしても翌シーズンの出場停止もなくなり罰金を支払うこともなくなったため、ツアーメンバーとして登録をすればその選手が持っているシード権はシードの切れるシーズンまで有効となりました。
松山くんに関して言えば2013年賞金王のシード権が2018年シーズンまで有効で、2016年日本オープン優勝のシード権が2021年シーズンまで有効のため、この規定が2021年まで変わらなければ、日本ツアーに登録をすれば2020年までは日本ツアーのトーナメントに1試合も出場しなくてもシードは有効となり、2022年シーズンのシード権を賞金ランキング60位以内(第1シード)の賞金シードで確保するためには2021年シーズンは3試合出場する必要がある、という形になります。
寛さんについては2015年にセガサミーカップ優勝により2017年シーズンまでのシード権を持っているのですが、それ以降のシード権は持っていないため、JGTOに申請をして2017年シーズンは賞金ランキングによるシードを確保するために3試合の出場義務をこなす必要があります(2017年シーズン中にトーナメント優勝などで複数年シードを確保できれば3試合の義務数を達成する必要もなくなりますが)。2016年シーズン始まる前に規定が変わっていれば今年夏以降の長期連戦が避けられただけに、もう少し早く改定して欲しかったというのが本音ですが、今回の改定はとりあえずは良かったと思います。
ただ、実際に3試合で賞金シードを確保するのは相当高いハードル(2016年シーズンの第1シード63位の獲得賞金が¥16,684,548で、これを3で割ると1試合550万以上稼がなければいけない)となるため、寛さんは2017年シーズンは実際にはもっと試合に出場する必要があるのではないかと思います。ただ、日本ツアーの出場資格リストの15に「JGTツアーメンバーでUSPGAツアー又はヨーロピアンツアーのツアーメンバー資格取得者で、上記(1)~(5)、(11)、(16)~(20)の出場資格(※複数年シードや賞金シードなど一定のシード権)を失うこととなった者」という項目があるため、2017年に賞金シードが取れなかった場合でも2018年シーズンのシードは一応確保できると思われます(2018年シーズンが厳しくなってしまいますが……)。
この新しい規定は現在のPGAツアー・ヨーロピアンツアーメンバーだけではなく、小平選手・片岡選手などのように複数年シードを持ち、またPGAツアーやヨーロピアンツアーを目指すことを公言している選手にとっても海外挑戦しやすくなると思いますので、多くの選手がPGAツアーやヨーロピアンツアーのツアーカードを取得してほしいなと思います。
<GDO>
・JGTOが“5試合ルール”を撤廃 選手の欧米進出をバックアップ(2016/12/16 17:25)
<ALBA>
・海外に出る選手を後押し!複数年シード保有者の出場義務競技数が撤廃に(2016/12/16 16:50)
<日刊スポーツ>
・松山英樹らに課せられた出場規定、事実上の撤廃(2016/12/16 20:44)
<サンケイスポーツ>
・JGTO、出場義務試合数の規定撤廃/国内男子(2016/12/16 19:06)
・米ツアーなどの出場資格持つ選手、出場義務が5試合から3試合に/国内男子(2016/12/17 05:01)
<スポーツ報知>
・男子ツアー、海外組の出場義務試合数“撤廃”松山が日本ツアー再登録検討(2016/12/17 06:00)
<デイリースポーツ>
・男子ツアー出場義務5試合規定を撤廃 「選手を縛る規定は取り除く」(2016/12/17)
<東京スポーツ>
・日本ゴルフツアー機構が「出場義務試合数」を事実上撤廃(2016/12/17 06:00)